第47回(2021年)の集会




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集会宣言
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 2021年2月11日の集会は、前年から新型コロナウイルス感染症が拡大している状況のため、オンライン(Youtube)での動画配信と、県内数ヶ所の小会場における配信動画上映の二本立てという変則的な形での開催となりました(「状況報告」は省略、デモ行進も行いませんでした)。
 開会後、郷原信郎さん(弁護士・元検察官)が「国家の公平・公正を危うくする法の恣意的解釈」と題して講演しました(下に講演要旨)。
 最後に「宣言」を採択して、私たちの思いをアピールしました。

 


<講演要旨>

 日本の検察官は、刑事事件として起訴するかどうかの裁量権を独占する「独任制官庁」であり、起訴事件の有罪率は99%以上。それゆえ検察官は、形式上は行政権に属するとはいえ、司法権を実質的に左右するほど特殊で強大な権力を有する存在。したがって、一方で検察が内閣の意向に従属して三権分立を歪めることがないように、また他方で検察の権限行使が独善に陥らないように、する必要がある。
 大阪地検特捜部の不祥事で信頼が失墜した後、検察は政治的社会的影響が大きい事件の捜査に消極的になった。安倍政権下の政治家の事件捜査に消極的だった背景には、「官邸の守護神」黒川弘務氏の存在がある。昨年2月安倍内閣は、検 察庁法で定められている定年を閣議決定で(=恣意的な解釈変更で)延長しようとした。これが問題化すると、4月に安倍内閣は検察庁法改正案を繰り出し、黒川氏の定年延長を後付けで正当化しようとした。検事総長の任命権が内閣にあるとしても、職の終期に内閣の関与を認めると政権への忖度が働く危険がある。但 し他方で、検察の独善を防ぐためには、検察自身の恣意的な権限行使に対する一定の歯止めの導入も必要だ。
 最近の事例では、「桜を見る会」の捜査が安倍首相の辞任後になったのも政権への忖度の結果ではないか。他方で、河井案里議員の選挙買収事件の捜査には、従来の公選法違反に対する検察の態度の変化も見受けられる。黒川氏の定年延長に対する検察幹部の反発かも知れない。いずれにしても検察の姿勢が政権や社会のあり方に大きな影響を及ぼしている。


<宣言>

 私たちは今日、第四七回「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」を開催しました。
 健全な民主主義社会は、私たち一人ひとりの自由な信仰・思索と批判的な言論・報道があってこそ実現します。しかし安倍政権と菅政権は、私たちの声や報道の批判に耳を傾けないまま、独りよがりの政治を続けています。
 昨年から続く新型コロナウイルスの感染拡大の中で、安倍前首相は、科学的根拠なく突然全国の学校を一斉休校にしたり、多大の公金と労力をかけて全世帯に布マスクを配布したりするなど、場当たり的な政策を繰り返しました。そして「夜の街」や「自粛警察」など新しい差別と抑圧をも生み出しました。「桜を見る会」に絡む政治資金の不正疑惑が明らかになると、法律の解釈をねじ曲げて懇意の検察幹部の定年延長を押し通そうとしました。そして菅首相は、日本学術会議の新会員として推薦された六名の任命を拒否しました。軍事研究を一貫して否定してきた学術会議の独立性を侵害し、研究者による政権批判を抑圧する、「学問の自由」や「表現の自由」に反する行為です。中曽根元首相の内閣・自民党合同葬に際しては、一億円近い国費が支出されたことに加え、政府が全国の国立大学・各都道府県教育委員会に弔意の表明を求める通知を出しました。憲法が定める「政教分離」の原則に反するうえ、大学自治と教育に対する不当な介入です。県内では、村井知事が女川原発再稼働の地元同意を表明しました。沖縄では、政府は米軍新基地建設工事を依然として推進しています。韓国の「元徴用工」や「慰安婦」の問題では、植民地支配の歴史を顧みない反応ばかりです。中国・北朝鮮への先制攻撃を可能にする軍備増強も着々と進められています。
 このような政治は、大局的には日本を戦前同様の独裁国家に変えるものです。日本国憲法に対する明らかな挑戦であり、絶対に許してはなりません。主権者・国民に対する不誠実、隣国との信頼関係の否定、軍隊や兵器の研究開発・保有が戦争を誘発する。それが歴史の教訓です。私たちは、核兵器禁止条約が発効した今こそ日本国憲法の理念、信教・思想・報道の自由の大切さを想起しなければなりません。そして選挙の時だけでなく常日頃から戦争に反対する姿勢をはっきり示し、政府の言いなりにならない姿勢を貫くことが必要です。各報道機関は自主規制することなく批判的言論を展開すべきです。
 私たちは菅政権の暴走を阻止します。人権・平和・民主主義を定めた日本国憲法を護ります。恐れることなく言論と非暴力不服従の行動で闘いぬくことを、改めて誓います。そして決意を新たに、次の通り宣言します。

一 私たちは、今日の「建国記念の日」に反対します。「建国記念の日」に歴史的根拠はありません。これは帝国憲法下における天皇神話に基づく「紀元節」を復活させたものです。民主主義に反する祝日です。現在の「日本国」誕生の日は、人権・平和・民主主義をうたう日本国憲法の施行の日である「憲法記念日」こそふさわしいと私たちは確信します。

一 私たちは、首相や閣僚による靖国神社や伊勢神宮への参拝、靖国神社の国家護持、代替わりに乗じた天皇制の賛美と強化、政教分離原則に反する動きや、天皇の政治的利用につながる動きに反対します。

一 私たちは、国民の「表現の自由」や「知る権利」をはじめとする基本的人権を侵害し、国民主権の否定と戦争のできる国家の形成につながる武器輸出解禁、特定秘密保護法、安保関連法(集団的自衛権の行使)、沖縄の米軍新基地建設、原発の再稼働、「共謀罪」、そして緊急事態条項の新設や自衛隊の国軍化などの憲法改悪に反対します。また核兵器禁止条約の署名と批准を求めます。

一 私たちは、公立学校その他での「日の丸・君が代・元号」の強制、「特別の教科 道徳」、教育と学問研究に対する政党・行政の不当な介入や、教育の民主化を妨げる動きに反対します。また二つの県立中学校において復古的・国家主義的な歴史教科書の使用を続けている宮城県教育委員会に対して、厳しく抗議します。

一 私たちは、これらの諸問題で報道機関が権力批判の役割をしっかり果たすよう求めます。報道や取材活動への不当な規制や介入に断固反対すると同時に、再生可能エネルギー普及に関する報道の促進、犯罪事件における実名報道や安易な犯人視報道の抑制など、すべての関係者が真実と公正を貫き人権の尊重に努めるよう要望します。

二〇二一年二月一一日

二・一一信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会

靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議加盟五〇団体 (アイウエオ順)
革新自治体をそだてる学者文化人の会
核兵器廃絶を願うキリスト者の会
カトリック正義と平和仙台協議会
河北新報労働組合
子どもと教科書みやぎネット
司法反動化反対宮城県連絡会議
自由法曹団宮城県支部
新日本婦人の会宮城県本部
生活協同組合あいコープみやぎ
青年法律家協会宮城支部
仙台キリスト教連合
仙台市職員労働組合
仙台平和を求めるキリスト者の会
仙台靖国法案阻止キリスト者連絡会
全金本山労働組合
創価学会青年部宮城県憲法研究会
テロにも戦争にもNO!の会
東北工業大学教職員組合
東北大学学生キリスト教青年会
東北大学職員組合
東北放送労働組合
東北労働弁護団
日本科学者会議宮城支部
日本キリスト改革派教会
日本キリスト教団東北教区社会委員会
日本山妙法寺
日本出版労働組合連合会仙台地域協議会
日本バプテスト連盟東北地方連合
日本婦人有権者同盟仙台支部
日本放送労働組合東北支部
日本民主法律家協会東北支部
婦人民主クラブ全国協議会宮城支部
婦人民主クラブ(再建)宮城県協議会
平和・民主・革新の日本をめざす宮城の会
平和をつくり出す宗教者ネットinみやぎ
宮城学院女子大学教員組合
宮城教育大学教職員組合 
宮城県教職員組合
宮城県高等学校・障害児学校教職員組合
宮城県憲法を守る会
宮城県護憲平和センター
宮城県私立学校教職員組合連合
宮城県平和委員会
宮城憲法会議
宮城県歴史教育者協議会
宮城県労働組合総連合
宮城脱原発風の会
宮城婦人問題連絡会
宮城歴史科学研究会
立正佼成会仙台教会