第36回(2010年)の集会




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宣言文
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 2010年2月11日、仙台市民会館展示室に約400人の市民が集まりました。
 開会に先立ち、みやぎ紫金草合唱団と苫米地サトロさんの歌がありました。
 開会後、状況報告に続いて、成嶋隆さん(新潟大学大学院実務法学研究科教授、新潟大学法学会会長、新潟大学9条の会代表世話人、新潟県憲法会議議長)の講演がありました(演題: 教育基本法「改正」とは何だったのか?)。成嶋さんは、「 旧教育基本法はもともと日本国憲法と一体をなす法律として制定され、教育の国家統制に対する歯止めとしての意義を有していた。しかし新自由主義と新国家主義という2つの「改革」イデオロギーによって教育基本法は改悪され、新教育基本法は憲法との<順接性>を失った。そして愛国心や道徳規範を押し付け、教育の国家統制を可能にする違憲の法律となってしまった。最近の「日の丸・君が代」指導の強化は新教育基本法の具体化であり、裁判所までが押し流されている。私たちは、教育という営みの本来のありかたに立ち返り、教育が国民一人ひとりの権利であることを再確認し、不当な支配に持続的に抵抗していくことが必要だ」 (要旨)と語りました。
 最後に「宣言」を採択し、会場から仙台駅前までデモ行進を行いました。
 



<宣言>

 私たちは今日、ここ仙台市民会館において、第三六回「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」を開催しました。
 今日二月一一日は、かつて「紀元節」と呼ばれていた日です。明治政府が天皇を中心とした国家支配の正当性を内外に誇示するために一八七三年に祝日として制定したのです。およそ二六〇〇年前に神武天皇が最初に天皇に即位した日とされたのですが、神武天皇は歴史上実在せず、それゆえ「紀元」の客観的根拠はありません。一九四八年には、民主国家として生まれ変わった戦後の日本にはふさわしくないものとして、いったん廃止されました。しかし佐藤栄作内閣がこの日を「建国記念の日」として復活させ、一九六七年から再び「祝日」となってきました。そしてそれと共に、自民党政権の下で靖国神社の国家護持を実現しようとする動きが強まり、一九六九年以後、数年間にわたり「靖国神社法案」が国会に上程されるようになりました。以来およそ四〇年の歳月が経過しましたが、靖国神社を特別な存在にして政治や教育に利用しようとする人々の動きは、現在でも続いています。
 私たちは、かつて国民を戦争に駆り立て、天皇のための死を賞賛する原動力の一つとなっていた靖国神社が再び力をもつことに反対する立場で、一九七五年から「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」を開いてきました。日本国憲法によって保障された信教・思想・報道の自由は、一人ひとりの人間のためにあるもので、国家のためのものではありません。天皇と国家のために個人が犠牲となった時代を再び繰り返さないよう、侵すことのできない基本的人権の一つとして保障されたのです。そして、これらの基本的人権を保障することは、政府の責務です。
 しかしどうでしょうか。昨年八月に実施された衆議院議員総選挙の結果、政権は自民党から民主党に交代しましたが、信教・思想・報道の自由はまだ踏みにじられています。また裁判員制度の発足に象徴されるように、信教・思想・報道の自由との関係が十分に議論されないまま進められている「改革」もあります。プラハにおけるオバマ大統領の「核なき世界をめざす」演説の精神に反して、自衛隊と駐留米軍を再編強化する流れは止まず、平和的生存権は依然として脅かされています。誤った経済政策の結果非正規労働者や就職難の学生が激増し貧富の差が拡大し、必要な「教育を受ける権利」も行使できなくなっています。冤罪・足利事件でも明らかになったように、容疑者を安易に犯人視する報道が昨年も問題になりました。さらに、かつて日本によって損害を受けたアジア諸国の人々に対する謝罪や戦後補償についても、多くの課題が残されています。
 私たちは、たとえ政権が代わろうとも、このような現状を決して見過ごすことはできません。人類の歴史は、平和と人権が尊重される方向に向かって進んでいるのであり、これらの課題の解決に努力すべきです。私たちはこのことに確信をもち、いま再び決意を新たにして、次の通り宣言します。

一、私たちは、きょうの「建国記念の日」に反対します。「建国記念の日」は、天皇神話に基づくだけで歴史的根拠はなく、明治の帝国憲法下における「紀元節」を復活させたものにすぎません。現在の「日本国」誕生の日は、人権・平和・民主主義をうたう日本国憲法の施行の日である「憲法記念日」で十分だと私たちは確信します。

一、私たちは、人権・平和・民主主義の実現をめざして進んでいる人類の歴史において、日本国憲法こそ優れた憲法であると確信します。それゆえ日本国憲法の改悪に反対し、憲法の改悪につながる「国民投票法」の廃止に向けて努力します。

一、私たちは、首相その他の特別国家公務員による靖国神社や伊勢神宮等への「公式」参拝、前仙台市長による政教分離原則軽視の行動など、靖国神社の国家護持や、天皇の政治的利用につながる動きに反対します。

一、私たちは、改悪された教育基本法に反対します。また、公立学校その他での「日の丸・君が代・元号」の強制、歴史を歪曲する検定意見や歴史を歪曲した教科書の採択、教職員組合運動への攻撃など、教育に対する行政の不当な介入や、教育の民主化を妨げる動きにも反対します。

一、私たちは、有事関連法の撤回を求め、反戦の言論弾圧に抗議し、憲法前文の精神と第九条の規定を遵守するよう訴えます。またソマリア沖への「海賊対処行動」をはじめとする米軍追随の防衛政策に反対し、すべての核兵器廃絶のために努力するよう訴えます。

一、私たちは、現在の裁判員制度において、信教・思想を理由に裁判員を辞退することが権利として保障されていないことに抗議します。基本的人権はすべての国政の上で最大限尊重されるべきと私たちは考えます。

一、私たちは、これらの諸問題で報道の果たす役割を重視し尊重します。報道や取材活動への不当な規制や介入に断固反対すると同時に、犯罪事件における実名報道や安易な犯人視報道の抑制など、すべての関係者が真実と公正を貫き人権を尊重した報道に努めるよう要望します。

二〇一〇年二月一一日

二・一一信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会


靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議加盟四八団体 (アイウエオ順)
革新自治体をそだてる学者文化人の会
核兵器廃絶を願うキリスト者の会
カトリック正義と平和仙台協議会
河北新報労働組合
子どもと教科書みやぎネット21
子どもの人権を守る宮城県連絡会
司法反動化反対宮城県連絡会議
自由法曹団宮城県支部
新日本婦人の会宮城県本部
青年法律家協会宮城支部
仙台キリスト教連合
仙台市職員労働組合
仙台平和を求めるキリスト者の会
仙台靖国法案阻止キリスト者連絡会
創価学会青年部宮城県憲法研究会
中国人戦争被害者の要求を支える宮城の会
東北工業大学教職員組合
東北大学学生キリスト教青年会
東北大学職員組合
東北放送労働組合
東北労働弁護団
日本科学者会議宮城支部
日本キリスト改革派教会
日本キリスト教団東北教区社会委員会
日本山妙法寺
日本出版労働組合連合会仙台地域協議会
日本婦人有権者同盟仙台支部
日本放送労働組合東北支部
日本民主法律家協会東北支部
婦人民主クラブ全国協議会宮城支部
婦人民主クラブ(再建)宮城県協議会
平和をつくり出す宗教者ネットinみやぎ
宮城学院女子大学教員組合 
宮城・革新統一をすすめる懇談会 
宮城教育大学教職員組合 
宮城県教職員組合
宮城県高等学校教職員組合
宮城県憲法を守る会
宮城県護憲平和センター
宮城県私立学校教職員組合連合
宮城県平和委員会
宮城県平和遺族会
宮城憲法会議
宮城県歴史教育者協議会
宮城県労働組合総連合
宮城婦人問題連絡会
宮城歴史科学研究会
立正佼成会仙台教会