第33回(2007年)の集会




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宣言文
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 2007年2月11日(日)、仙台市民会館小ホールに約450人の市民が集まりました。
 開会に先立ち、苫米地サトロさんと宮城うたごえ合同合唱団の歌がありました。
 開会後、状況報告に続いて、柳父圀近氏(やぎゅう・くにちか/東北大学法学研究科教授)の講演がありました(演題:ナショナリズムを超えて~近代日本とアイデンティティの模索~)。
 最後に「宣言」を採択し、会場から仙台駅前までデモ行進を行いました。

 


<宣言>

 私たちは今日ここに、第三三回「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」を開催しました。
 私たちはまず、昨年暮れの教育基本法改悪に断固抗議します。旧教育基本法に比べて新教育基本法では、教育の目標に「伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する態度を養う」という言葉が加えられました。また「教育は国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきもの」という大切な言葉が削除されました。これは「日の丸・君が代」の強制や復古的な教科書などの使用をますます容易にし、また文科相が国会答弁でも認めたように、政治権力による教育への介入を正当化するためです。今後は新教育基本法の下で、平和や人権を尊重する人間よりも、もっぱら国家に奉仕する人間を育てようというのです。これは内心の自由に対する挑戦です。新教育基本法は、日本国憲法の精神に反する法律と言わざるを得ません。私たちは新教育基本法の制定にひるむことなく、人類が多くの犠牲を払い長い歳月をかけて築き上げてきた平和と人権を尊重する民主的な社会を守り発展させます。
 昨年八月一五日に小泉前首相と梅原仙台市長は靖国神社を参拝しました。靖国神社は、天皇のために戦い死んだ者を尊び戦争を推進する役割を果たした神社です。そのような神社を首相や市長が参拝することは、侵略戦争への反省と不戦の誓いに反し、私たち日本国民にとってのみならず国際的にも許せない行為です。にもかかわらず小泉前首相は、これを個人の「心の問題」にすりかえ、あえて八月一五日を選んで参拝を強行しました。私たちは小泉前首相と梅原市長に断固抗議します。また、その日の夜に靖国参拝に批判的な加藤紘一氏の自宅が右翼団体員によって放火された事件が起きました。これは戦争賛美の時代に戦争反対の言論が力で封殺された歴史を繰り返すもので、絶対に許せない行為です。しかし小泉前首相は、この事件に無反応でした。私たちはこのような小泉前首相のテロを容認する態度を認めることはできません。
 一〇月に北朝鮮が核実験を実施したとき、一部の政治家が「日本も核武装すべきかどうか議論すべき」と発言し、安倍首相はその発言を容認しました。しかし世界唯一の被爆国である日本は、本来なら北朝鮮のみならずアメリカも含めたすべての核保有国に向かって核廃絶を提唱すべき立場にあるのではないでしょうか。また防衛庁を「省」に昇格させて大幅な権限をもつ防衛大臣をおき、自衛隊の海外派兵を本来任務にしたことや、沖縄海兵隊のグアム移転について約七千億円の巨額負担に同意したこと、住民の願いに反して基地や訓練の国内移転をさらに進めようとしていること等は、戦争と戦力を放棄した日本のとるべき道ではないと、私たちは考えます。
 このような動きのすべては、憲法の改悪に直結しています。安倍首相は、「自民党総裁の任期中に憲法改正を成し遂げる」と言明しています。そのとき憲法改正国民投票法案には報道規制が盛り込まれていることを忘れてはなりません。表現の自由の制約につながりかねない「共謀罪」の新設提案も国会に上程されています。このように昨年来のさまざまな動きは、「戦争をする国」づくりに向かう政府に国民を従わせ、国民が政府を監視したり批判したりできないようにするためです。
 八月に反戦ビラまき訴訟に、また九月には「日の丸・君が代」訴訟にそれぞれ勝利判決があったこと、そして一〇月に取材源の秘匿を認める判決が相次いだことは、私たちに勇気を与えました。私たちは信教・思想・報道の自由を全力で守る決意を新たにし、次のとおり宣言します。

一、きょうの「建国記念の日」は、天皇神話に基づくだけで歴史的根拠はなく、明治の帝国憲法下における「紀元節」を復活させたものにすぎません。現在の「日本国」誕生の日は、人権・平和・民主主義をうたう日本国憲法の施行の日である「憲法記念日」で十分だと私たちは確信します。

一、私たちは、憲法の改悪と、首相その他の特別国家公務員による靖国神社や伊勢神宮等への「公式」参拝や、仙台市 をはじめ地方公共団体の政教分離原則軽視、公立学校その他での「日の丸・君が代・元号」の強制や歴史を歪曲する教科書の採択など教育への国の不当な介入に反対します。

一、私たちは、新たな有事関連立法の撤回を求め、反戦の言論弾圧に抗議し、憲法前文の精神と第九条の規定を遵守するよう訴えます。またすべての核兵器廃絶のために努力するよう訴えます。

一、私たちは、これらの諸問題で報道の果たす役割を重視し尊重します。それゆえNHKに対する「拉致問題放送命令」のように、報道や取材活動への不当な規制や介入に断固反対すると同時に、すべての報道関係者が真実と公正を貫くよう要望します。

二〇〇七年二月一一日

二・一一信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会

靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議加盟四八団体 (アイウエオ順)
革新自治体をそだてる学者文化人の会
核兵器廃絶を願うキリスト者の会
カトリック正義と平和仙台協議会
河北新報労働組合
子どもの人権を守る宮城県連絡会
司法反動化反対宮城県連絡会議
自由法曹団宮城県支部
新日本婦人の会宮城県本部
青年法律家協会宮城支部
仙台キリスト教連合
仙台市職員労働組合
仙台平和を求めるキリスト者の会
仙台靖国法案阻止キリスト者連絡会
創価学会青年部宮城県憲法研究会
中国人戦争被害者の要求を支える宮城の会
東北工業大学教職員組合
東北大学学生キリスト教青年会
東北大学職員組合
東北放送労働組合
東北労働弁護団
日本科学者会議宮城支部
日本キリスト改革派教会
日本キリスト教団東北教区社会委員会
日本山妙法寺
日本出版労働組合連合会仙台地域協議会
日本婦人有権者同盟仙台支部
日本放送労働組合東北支部
日本民主法律家協会東北支部
パーフェクト・リバティ(PL教団)仙台教会
婦人民主クラブ全国協議会宮城支部
婦人民主クラブ(再建)宮城県協議会
平和をつくり出す宗教者ネットinみやぎ
宮城学院女子大学教員組合 
宮城・革新統一をすすめる懇談会 
宮城教育大学教職員組合 
宮城県教職員組合
宮城県高等学校教職員組合
宮城県憲法を守る会
宮城県護憲平和センター
宮城県私立学校教職員組合連合
宮城県平和委員会
宮城県平和遺族会
宮城憲法会議
宮城県歴史教育者協議会
宮城県労働組合総連合
宮城婦人問題連絡会
宮城歴史科学研究会
立正佼成会仙台教会