第42回(2016年)の集会




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宣言文
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 2016年2月11日、フォレスト仙台に約700人が集まりました。ホールの席に座れず立ち見で講演を聴かれた方々、別室の第二会場でウェブカメラ中継で講演を聴かれた方々も多数にのぼりました。多くの皆様のご参加をいただいたことに感謝するとともに、メイン会場に入りきれなかった皆様には深くお詫びいたします。
 開会後、状況報告に続いて、古賀茂明さん(元通産省官僚・フォーラム4代表)が講演しました(演題:報道の自由と民主主義――日本の進むべき道――)。古賀さんは、「安倍政権は、日本を列強国にしようとして、核武装をも視野に入れて行動している。このまま進めば日本はとんでもない国になってしまうだろう。権力はメディアを支配し、問題に気づく能力さえ国民から奪おうとする。昨今の報道番組への介入はその表れだ。これを阻止できるのは国民しかいない。ガンジーの言葉にあるように、世界によって自分が変えられないように行動しよう」(要旨)と語りました。古賀さんのお話には、官僚経験者ならではの裏話がたくさんあり、フロアから驚きと笑いの声が何度も起きました。
 最後に「宣言」を採択し、会場から仙台駅前までデモ行進を行いました。

 



<宣言>

 私たちは今日ここフォレスト仙台において、第四二回「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」を開催しました。
 安倍政権は、昨年九月に憲法九条の下で集団的自衛権の行使を可能とする安保関連法案を強行採決しました。この法案に対しては、ほとんどの憲法研究者、最高裁の元長官や元判事あるいは元内閣法制局長官、そして日弁連と国内すべての弁護士会が、皆そろって「違憲」と断言しました。世論調査では過半数の国民が反対し、今でも国会前をはじめ全国各地で多くの市民が「絶対廃案!」の声をあげて行動しています。これは日本の歴史上、非常に画期的な出来事です。しかし安倍政権はそれらに一切耳を貸さず、戦後日本の進路を大きく変えようとしているのです。また安倍首相は、この法案が国会に提出される前にアメリカ議会でその成立を約束する演説をしたうえ、沖縄県知事を先頭に多くの人々が反対するアメリカ軍の新基地建設をも力ずくで達成しようとしています。安倍政権は今、主権者国民の意向を無視して、日本をアメリカと一体となって「自衛」の名のもとに世界中で軍事行動ができる国に変えようと暴走しているのです。これは、戦争放棄や国民主権を宣言した日本国憲法に対する明らかな挑戦であり、立憲主義に反する前代未聞かつ言語道断の独裁政治です。
 欧米諸国による一方的な中東政策とイスラム教徒に対する差別や偏見を背景に、昨年からISによる「テロ」が相次いでいます。また南シナ海や尖閣諸島周辺で中国が軍事行動を強化しています。これらの出来事に対して、いま自衛隊による軍事行動がとられようとしています。そして軍事行動に対する国民の批判を許さない風潮が生まれています。既に報道や教育の現場において「政治的中立性」が間違った意味で強調され、反対意見や少数意見が封じ込められつつあります。「慰安婦」や南京大虐殺など過去の戦争加害に関する歴史認識が妨げられる場面が増える中で、宮城県では今春から二つの県立中学校で復古的な歴史教科書が使用されます。今こそ私たち一人ひとりが、そして報道機関が、信教・思想・報道の自由の大切さを理解し、その権利を行使して批判的意見を発信し続け、戦争に反対する姿勢をはっきり示し、政府の言いなりにならない姿勢を貫くことが絶対に必要です。
 私たちは、安倍政権の暴走を阻止し、人権・平和・民主主義を定めた日本国憲法を守りぬくため、恐れることなく言論と非暴力不服従の行動で闘いぬくことを改めて誓います。そして決意を新たに、次の通り宣言します。

一 私たちは、今日の「建国記念の日」と憲法の改悪に反対します。「建国記念の日」は、天皇神話に基づくだけで歴史的根拠はなく、帝国憲法下における「紀元節」を復活させたものにすぎません。現在の「日本国」誕生の日は、人権・平和・民主主義をうたう日本国憲法の施行の日である「憲法記念日」こそふさわしいと私たちは確信します。

一 私たちは、国民の「知る権利」をはじめとする基本的人権を侵害し、国民主権の否定と戦争のできる国家の形成につながる武器輸出解禁、特定秘密保護法、安保関連法案(集団的自衛権の行使)、沖縄米軍の新基地建設、原発の再稼働、そして共謀罪の法制化など、これらすべてに反対します。

一 私たちは、首相や閣僚による靖国神社や伊勢神宮への参拝、靖国神社の国家護持など、政教分離原則に反する動きや、天皇の政治的利用につながる動きに反対します。

一 私たちは、公立学校その他での「日の丸・君が代・元号」の強制、道徳教育の教科化、教育に対する行政の不当な介入や、教育の民主化を妨げる動きに反対します。また二つの県立中学校において来年度から復古的な歴史教科書の採択を決めた宮城県教育委員会に対して、厳しく抗議します。

一 私たちは、これらの諸問題で報道機関が権力批判の役割をしっかり果たすよう求めます。報道や取材活動への不当な規制や介入に断固反対すると同時に、クリーンエネルギー普及に関する報道の促進、犯罪事件における実名報道や安易な犯人視報道の抑制など、すべての関係者が真実と公正を貫き人権の尊重に努めるよう要望します。

二〇一六年二月一一日

二・一一信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会

靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議加盟五〇団体 (アイウエオ順)
革新自治体をそだてる学者文化人の会
核兵器廃絶を願うキリスト者の会
カトリック正義と平和仙台協議会
河北新報労働組合
子どもと教科書みやぎネット
司法反動化反対宮城県連絡会議
自由法曹団宮城県支部
新日本婦人の会宮城県本部
生活協同組合あいコープみやぎ
青年法律家協会宮城支部
仙台キリスト教連合
仙台市職員労働組合
仙台平和を求めるキリスト者の会
仙台靖国法案阻止キリスト者連絡会
全金本山労働組合
創価学会青年部宮城県憲法研究会
テロにも戦争にもNO!の会
東北工業大学教職員組合
東北大学学生キリスト教青年会
東北大学職員組合
東北放送労働組合
東北労働弁護団
日本科学者会議宮城支部
日本キリスト改革派教会
日本キリスト教団東北教区社会委員会
日本山妙法寺
日本出版労働組合連合会仙台地域協議会
日本バプテスト連盟東北地方連合
日本婦人有権者同盟仙台支部
日本放送労働組合東北支部
日本民主法律家協会東北支部
婦人民主クラブ全国協議会宮城支部
婦人民主クラブ(再建)宮城県協議会
平和・民主・革新の日本をめざす宮城の会
平和をつくり出す宗教者ネットinみやぎ
宮城学院女子大学教員組合
宮城教育大学教職員組合 
宮城県教職員組合
宮城県高等学校教職員組合
宮城県憲法を守る会
宮城県護憲平和センター
宮城県私立学校教職員組合連合
宮城県平和委員会
宮城憲法会議
宮城県歴史教育者協議会
宮城県労働組合総連合
宮城脱原発風の会
宮城婦人問題連絡会
宮城歴史科学研究会
立正佼成会仙台教会