2015年2月11日、仙台市民会館に超満員の約800人が集まりました(2・11集会史上最大の人数でした)。ホールの席に座れず、立ち見で講演を聴かれた方々、ホワイエでスピーカー越しに講演を聴かれた方々、諦めてお帰りになった方々も多数にのぼりました。主催者の予想を超えた参加をいただいたことに感謝するとともに、会場に入りきれなかった皆様には深くお詫びいたします。
開会後、状況報告に続いて、浜矩子さん(同志社大学大学院教授・エコノミスト)の講演がありました(演題:正義と平和が抱き合う時――いがみ合いの向こう側を目指して――)。浜さんは、「安倍首相は、『強い日本・強い経済・誇りある日本を取り戻す』と言っているが、この“取り戻す病”は、①豊かさの中の貧困という日本経済の現実が見えなくなり、②国家のため=稼ぐために国民を統治=利用する、という重篤な症状を示す。安倍首相に騙されないためには、①経済は人間を幸せにするためにあること、②他人のために“もらい泣き”できるほどの慈しみの心が正義と平和を結びつけること、の2つを知る必要がある」(要旨)と語りました。浜さんのお話には、わかりやすい喩えやおもしろい小話がたくさんあり、会場を埋めつくす観客から大きな拍手が起きました。また講演後の質疑も活発に行われました。
最後に「宣言」を採択し、会場から仙台駅前までデモ行進を行いました。
<宣言>
私たちは今日ここ仙台市民会館において、第四一回「信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会」を開催しました。
安倍政権は、「アベノミクス」による見せかけの好景気を演出しながら、「戦争ができる国づくり」に突進しています。昨年七月には「切れ目ない安全保障を実現するため」と称して、歴代政府が踏襲してきた解釈を変更し、憲法九条の下で集団的自衛権の行使を可能とする閣議決定を行いました。そして一二月には多数の人々の反対の声を無視して特定秘密保護法を施行したほか、教育現場では政府の見解に基づく小学校歴史教科書を検定合格させました。このような政府の姿勢は、悲惨な歴史に目を閉ざして、アメリカと軍事共同体を形成しようという国家主義的戦略であり、戦争放棄と基本的人権の尊重を宣言した日本国憲法に対する明確な挑戦です。「従軍慰安婦」問題や原発に関する報道を一部取り消した朝日新聞に対するバッシングや、韓国・北朝鮮に対するヘイトスピーチに見られるように、いま世の中全体が右傾化・軍事化の度を強め、反対意見や少数意見が暴力で封じ込められつつあります。
昨年一二月に行われた衆議院議員総選挙に際して、自民党は在京テレビ局各社に対し「選挙報道では公平中立を保つ」よう求める文書を送りつけて、出演者の発言回数などに注文をつけ、政権与党に批判が集中しないよう圧力をかけました。そして「アベノミクスを継続してよいかどうか信を問う」たはずの選挙に勝利したとたん、安倍首相は「集団的自衛権行使容認も支持された」と豪語して、憲法改正実現に意欲を示しました。このような詐欺的手法で「戦争ができる国づくり」を進める安倍政権に対抗するためには、私たち一人ひとりが信教・思想・報道の自由の大切さを理解し、その権利を行使して批判的意見を発信し続けることが絶対に必要です。
沖縄県知事選挙で米軍の辺野古新基地建設に反対する知事が誕生したこと、衆議院議員総選挙で沖縄県内の全ての小選挙区で新知事を支える候補が当選したことは、私たちを勇気づけました。戦争の足音が日増しに高まっているこの危機的な情勢の下で、それでも私たちは、安倍政権の暴走を阻止し、人権・平和・民主主義を定めた日本国憲法を守りぬくため、恐れることなく言論と非暴力不服従の行動で闘いぬくことを改めて誓います。そして決意を新たに、次の通り宣言します。
一 私たちは、今日の「建国記念の日」と憲法の改悪に反対します。「建国記念の日」は、天皇神話に基づくだけで歴史的根拠はなく、帝国憲法下における「紀元節」を復活させたものにすぎません。現在の「日本国」誕生の日は、人権・平和・民主主義をうたう日本国憲法の施行の日である「憲法記念日」で十分だと私たちは確信します。
一 私たちは、国民の「知る権利」をはじめとする基本的人権を侵害し、国民主権の否定と戦争のできる国家の形成につながる国家安全保障会議の設置、武器輸出の解禁、特定秘密保護法の施行、集団的自衛権の行使容認、沖縄米軍の新基地建設、原発の再稼働のすべてに反対します。
一 私たちは、首相や閣僚による靖国神社や伊勢神宮への参拝、靖国神社の国家護持など、政教分離原則に反する動きや、天皇の政治的利用につながる動きに反対します。
一 私たちは、公立学校その他での「日の丸・君が代・元号」の強制、道徳教育の教科化、教育に対する行政の不当な介入や、教育の民主化を妨げる動きに反対します。また宮城県教育委員会に対して、一昨年の県議会決議に基づいて復古的な教科書の使用に踏み切ることがないよう要求します。
一 私たちは、これらの諸問題で報道の果たす役割を重視し尊重します。報道や取材活動への不当な規制や介入に断固反対すると同時に、クリーンエネルギー普及に関する積極的な報道と、犯罪事件における実名報道や安易な犯人視報道の抑制など、すべての関係者が真実と公正を貫き人権の尊重に努めるよう要望します。
二〇一五年二月一一日
靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議加盟四九団体 (アイウエオ順)
革新自治体をそだてる学者文化人の会
核兵器廃絶を願うキリスト者の会
カトリック正義と平和仙台協議会
河北新報労働組合
子どもと教科書みやぎネット
司法反動化反対宮城県連絡会議
自由法曹団宮城県支部
新日本婦人の会宮城県本部
生活協同組合あいコープみやぎ
青年法律家協会宮城支部
仙台キリスト教連合
仙台市職員労働組合
仙台平和を求めるキリスト者の会
仙台靖国法案阻止キリスト者連絡会
全金本山労働組合
創価学会青年部宮城県憲法研究会
テロにも戦争にもNO!の会
東北工業大学教職員組合
東北大学学生キリスト教青年会
東北大学職員組合
東北放送労働組合
東北労働弁護団
日本科学者会議宮城支部
日本キリスト改革派教会
日本キリスト教団東北教区社会委員会
日本山妙法寺
日本出版労働組合連合会仙台地域協議会
日本バプテスト連盟東北地方連合
日本婦人有権者同盟仙台支部
日本放送労働組合東北支部
日本民主法律家協会東北支部
婦人民主クラブ全国協議会宮城支部
婦人民主クラブ(再建)宮城県協議会
平和・民主・革新の日本をめざす宮城の会
平和をつくり出す宗教者ネットinみやぎ
宮城学院女子大学教員組合
宮城教育大学教職員組合
宮城県教職員組合
宮城県高等学校教職員組合
宮城県憲法を守る会
宮城県護憲平和センター
宮城県私立学校教職員組合連合
宮城県平和委員会
宮城憲法会議
宮城県歴史教育者協議会
宮城県労働組合総連合
宮城脱原発風の会
宮城婦人問題連絡会
宮城歴史科学研究会
立正佼成会仙台教会
2・11 信教・思想・報道の自由を守る宮城県民集会
主催
靖国神社国家管理反対宮城県連絡会議